認定シューフィッター 坂井孝宏
20年以上、百貨店で外反母趾など足のトラブルに悩む方の相談にのり、足にあう靴を探すお手伝いを行う。
モットーは「来るものは拒まず、去る者は追わず、自らは不動にして動」
トップページ > 靴と脚悩みコラム > 就職活動のパンプス選び > 【シューフィッター監修】長時間履ける、疲れない靴の探し方
長く履いても疲れないパンプスに出合うと、履き心地のよさに感心することがあります。一方、履き続けても足になじまず、履くのを断念せざるを得ないこともありますよね。自分の足に合った履き心地のよい靴を探せる眼を養えば、靴選びも変わるかもしれません。ここでは、長時間履いても疲れない靴の探し方、靴や足型の特徴から選ぶポイントについてご紹介します。
長時間歩く人や立っている人、座りっぱなしの人など、生活スタイルによって選ぶ靴は人それぞれ。その誰もが、「疲れない靴が履きたい」と感じています。それはどういった靴でしょうか。
足が靴にぴったりフィットして、痛いところもなく、ゆるくないというのがベストです。しかし、そのような靴はなかなか見つからないのが現実。多くの人が、なるべくそれに近いものを選んでいます。足に負担の少ない低いヒールを履きたいところですが、職種やシーンによっては、楽な靴を履けない場合もあるのがつらいところです。
まず、自分の足の特徴を把握します。靴の専門店や百貨店の靴売り場などで計測してもらうとよいでしょう。足の長さ、形や幅、甲の高さなど、人によって違いがあり、左右で大きさが違うこともあります。しっかりと自分の足を知ることから始めましょう。
価格、デザイン、色や素材、購入目的に合っているかなど、購入にあたり優先することを決めておくとよいでしょう。どんなにその靴が気に入っても、履きづらい、デザインがふさわしくない、予算を上回るなど、目的から外れないよう注意が必要です。
靴のフィット感は、きつめとゆるめに好みが分かれます。一般的にパンプスはややきつめがよいとされていますが、それには理由があります。
革素材のものは、履くほどに足の形に沿って伸び、なじんできます。パンプスは履き口が広く開いているので、押さえが幅の部分のみとなり、幅がゆったりしていると脱げてしまうからです。それを防ぐため、唯一の押さえ部分である幅が少しきつめのものを選ぶとよいでしょう。靴の中で5本の指が十分に動かせるゆとりがあり、適度なしめつけがある程度が理想です。
きつい靴を伸ばすより大変なのが、足の幅が細く華奢な場合です。靴がきつければ革を伸ばして合わせることができますが、ゆるい靴を縮ませることはできないので、インソール等での調整が必要です。
次に、靴や足の特徴から選ぶポイントについて見ていきましょう。
一般的に3~6cmぐらいがよいといわれます。たくさん歩くには低いヒールがおすすめ。高すぎるヒールが疲れやすいのはもちろんですが、姿勢や歩き癖の悪化を招く場合もあるので、自分に合った適度な高さを知りましょう。
パンプスにはつま先の形がいくつかあります。足の形に合ったつま先を選べば、履きやすさにもつながるでしょう。
ラウンドトウ:丸みを帯びていてカジュアルからフォーマルまで使いやすい
スクエアトウ:四角くて指が広げやすいので指の当たる方におすすめ
ポインテッドトウ:細く尖っていてスタイリッシュ
アーモンドトウ:ラウンドトウとポインテッドトウの中間的なデザイン
足の幅が狭い人も増えているのに、幅広=履きやすいと思われがちです。自分の足の幅に合ったサイズを選びましょう。同じブランドでもデザインが違うと履き心地やサイズ感が変わることも多いので、必ず自分のサイズの上下サイズを試してみましょう。
足型は大きく分けて3タイプ。どの指が長いかによって分かれます。
親指が長いエジプト型
外反母趾になりやすいといわれているので注意。ラウンドトウやスクエアトウが合わせやすいでしょう。
人差し指が長いギリシャ型
本来合うポインテッドトウは強い印象になるので、私服用の靴におすすめ。アーモンドトウやスクエアトウも向いているでしょう。
どの指もほぼ同じ長さのスクエア型
指の形と一緒のスクエアトウか、ラウンドトウが足の形に合っています。
足の特徴や靴の形などを総合的に判断して、フィッティングをしてみてください。
足の特徴によって、向いているデザインがあることをおわかりいただけたでしょうか。それを踏まえてからフィッティングをすれば、靴を選ぶ基準が明確になり、探しやすくなるでしょう。あとは納得のいくまで試し履きをして、ご自身のライフスタイルに合った、長く履いても疲れないベストな1足を見つけてくださいね。
20年以上、百貨店で外反母趾など足のトラブルに悩む方の相談にのり、足にあう靴を探すお手伝いを行う。
モットーは「来るものは拒まず、去る者は追わず、自らは不動にして動」